平成29年12月14日

 

上申書

 

さいたま地方検察庁越谷支部 村川検察官 殿

 

              住所 北海度

              氏名             印

                             印

 

 

平成29年3月19日埼玉県○○番地で加害者運転の社用車が道路横断中の○○に衝突、息子の○○が死亡した事故について、
不起訴ありきの説明に最高検察庁に訴え出る用意をするほどに、検事に対し疑義を持ちました。訴え出る前に今一度、検事に説明を求めるべく上申書を提出する。

 

以下の通達に基づき、証拠を以て納得いく説明を願うものである。

 

 

 

最 高 検 企 第 4 3 6 号  平成26年10月21日

犯罪被害者等の権利利益の尊重について(依命通達)

 平成19年の刑事訴訟法等の改正により、被害者参加制度を始めとする犯罪被

検察の理念が「犯罪被害者等の声に耳を傾け、その正当な権利利益を尊重する。」ことを基本姿勢の一つとしていることに思いを致し、
被害者参加制度の対象となる者を含め広く犯罪被害者等に対してなお一層の配慮に努められたく、
下記の各点に 留意して犯罪被害者等に対する対応に遺憾のないよう願います。

 

      記 1 事件の捜査・処理に当たっての対応について    

被害者等(刑事訴訟法第290条の2第1項に規定する被害者等をいう。以下同じ。) から事情を聴取するに当たっては
被害者等が受けた身体的・精神的被害等に十分配意しつつ、被害者等との間のコミュニケーションをより一層充実させ、その声に真摯に耳を傾けるよう努められたい。
また、捜査の過程において、被害者等から、起訴・不起訴の判断や起訴事実の内容等の事件の処理に関する要望が示された場合には、
法と証拠に照らして相当と認められる範囲で、このような要望にも十分に配慮した事件の処理に努 めるよう配意されたい。  

1、      加害者がブレーキを踏んだ証拠の有無

検事のいう「ブレーキ痕」は「単なるタイヤ痕」ではないのか?

・加害車両は軽車両で車両重量860㎏程度である。それに対し太久真の体重は90~100㎏と車両重量の10%以上と大きいものである。

一般的には歩行者の質量は車の5%程度と言われているが、本件はそれには当てはまらない。添付資料1

加えて、衝突による衝撃で運転席側のタイヤにパンクがみられる。

検事のいう通り「ブレーキ痕」であるなら、被害者が衝突した場所にその印象の途中で「ズリ痕」や「タイヤ幅に変化」がみられるべきである。

 

それを示しての説明を求める。

 

当方としては、衝突時に衝撃で印象された「タイヤ痕」、つまりブレーキを踏んだのではなく衝突時の衝撃により印象されたものと考えている。

時速70㎞と想定して、印象されているタイヤ痕長さから印象時間は0.7秒程度の印象時間であることもその根拠である
(100km/hでも0.4秒程度なので下記記載の*説明とも矛盾しない)

 

ボンネットタイプの車ではない事からも双方が粘着していた時間も短いのは検事も当然理解しているものと解している。

 

*防犯カメラの映像について

鑑定結果が検事のいう速度よりもはるかに低い速度であった理由につき、使用数値や速度算出に用いた資料が何であったのか明らかにしていただきたい。
防犯カメラを見た限りでは相当な速度であったことは確認済みであるから詳細な説明を求めるものである。

 

また、「以前カメラ映像をコピーすると証拠能力が無くなるから駄目だ」と副検事に言われたが、昨今、
ドライブレコーダーの普及もあり映像を当事者が保管している事も多々見受けられる。

その場合、証拠能力が無くなっているという事なのかをお聞きしたい。

 

懸念している事は、一方の当事者が死亡して知る場合等により実況見分に立ち会うことができないこともあり、
もう一方の運転者からの聞き取りのみで調書が作成されてしまっている。

このような場合に、実際の事故態様を立証するためにドライブレコーダーの映像が有力な証拠となることもあるが警察による実況見分調書が証拠として重要であり、
それとの兼ね合いによってドライブレコーダーの証拠能力に影響を与え他の証拠との兼ね合いから有力な証拠かどうかが決まり、
一概に『有力な証拠になる』と断言することはできない、つまり、一方の言い分と実況見分調書等と合わないから
カメラ映像を証拠として使用していないなどという事が無いか、今一度確認致したい。

 

防犯カメラ映像は証拠として扱われているかいないのかお聞かせ願いたい。

 

*1Boxタイプの車両との衝突は、歩行者の全身が車両前面と接触し、直ちに車の衝突速度まで加速され路面に落下する。

 

また1Boxは速度が増すと飛翔距離が顕著に長くなる。

ただし、速度が下がると歩行者はバンパーよりも下側下部に潜り込むとの実験論文が存在する。
その速度は60㎞以下と言われており、それに充てはめると、被害者が20m以上跳ね飛ばされている事から鑑みると相当な高速度であることは明らかである。

 

そこで、まずは速度鑑定結果(適用数値含む)をお聞かせ頂きたい。

また、その中に歩行者の転倒距離からの速度算出が行われ、双方の鑑定結果と矛盾が生じていないのかお聞かせ願いたい

 

2、      消防記録と実際の車の停止状況が違う理由を示されたい

・添付資料2では「車が被害者の前に停止している」とみなすことができる。
しかしながら、当方で確認した際の防犯ビデオでは「被害者が車の前方に転がっていった」ものと認識している。

 

車の停止位置が違えば、事件態様も当然大きく変わることから「車の停止位置と被害者との距離」および車の停止位置とタイヤ痕の位置関係を示しての説明を求める。

 

3、      被害者の体表外傷に見合わない体内損傷について

・墜落のような全体的に一瞬で強大な外力により多数の重篤な外傷に見合わない内部損傷がみられるものである。

    本件において外表損傷が軽度であるのに内部損傷が高度に生ずる。そうすると加害者車両の速度は高速度であったといえる。

また、車体で一番固いとされるピラーを凹ますほどの衝撃であることからも加害者車両の速度は相当な高速度であったと証拠づけられる。

 

検事が述べた「あなたがたにはわからないだろうけれど多くの事故や映像を見てあなた達が言っているようなスピードではない。
60~70がせいぜいでしょう。わたしはプロだからわかる」旨の根拠なき速度で認定する行為を到底容認できない。

 

4、      「対向車のライトがまぶしくて見えなかった」とする供述を覆せないとする理由の不可解

・検事は「本人が言っているから覆せない」旨発言したが、それでは「死人に口なし」ならぬ「言ったもん勝ち」である。
 生きている人間の言った事をまかり通すのが検察なのか。

ア)      明らかに「ハイライト」走行車が存在した

イ)      横断開始直後に○○と衝突した

等の明らかな回避不可もしくは供述に矛盾がない場合でなければ検事説明に納得はできない。

通常、対向側から眩しい車が来た際にそちらに注視すると目にハロー・グレア現象(瞳孔が大きく開くため光がにじんで見えること)が起きるため、
それを防ぎ光の残像が目に残らないようにするため、通常は視線を対向車側とはずらすようにするのが自然である。

 

また、免許保持者であれば交通安全協会から配布される読本にも『視線をやや左前方に』と明記されている運転方法である。

つまりは運転手としての安全な運転を怠っていたと言える供述である。

(資料3)

 

5、上記4を踏まえて、前方不注視の長さ

そう考えた場合「走行車線から追い越し車線をほぼ渡っていた被害者」に気が付かないのは長時間に及ぶ前方左右不注視であったことは明らかである。

検事が言う速度60km/h~70km/hであっても、一般的な歩行速度は様々な交通工学書でも明記されており、老人であっても1秒で1.14mであり
(林洋 著 交通事故鑑定科学より引用・資料4)、
その老人の歩行速度として考えても○○は4.8mは横断終了していたのだから最低4.21秒もの間、距離にして70.17m~81.86mもの間、
前方左右を見ていなかった危険極まりない運転をしていたことになる。また現場が暗くて視認状況はよくなく、
前方左右の注視義務の程度が特段軽減されるような事情も認められない。

 

歩行速度に「人それぞれ個人差がある」と前回面談の際に一蹴されたが、それを言うならば、
全てにおいて個人差があるのであるから一切の鑑定を否定するものと同じである。

データーが存在するのであるから、平均値を用いての客観的事実を導き出すべきが当然であるところ
これを怠り不起訴ありきで、検察審査会の手続き手法まで遺族に説明するのは許せない行為である。

 

また、「わたしはプロだからわかる」旨の発言についてだが、検事は交通鑑定もしくは防犯ビデオ解析のプロなのか、何においてのプロ明言頂きたい。
検事の個人的件見解で速度を決めていいものなのかも返答頂きたい。

 

6、被害者・○○にあると思われる過失

・歩行者が道路を横断する場合、横断歩道を渡らなければいけないというのは道交法で定められている(第12条)。
 歩行者が近道をしようとして横断歩道ではない道を横断している時に自動車と事故を起こした場合、
 あくまでも民事上だが被害者にも過失があるとして過失相殺が認められることは承知している。

しかしながらその幅は5%~20%程度である。

 

また、信号も横断歩道もない道も珍しくはないわけで、そうした場所で起こった自動車と歩行者の事故では、
これはあくまで車側が法律を順守していた場合で回避不可を基本としているのだから、回避不可能なほどの速度超過、
長時間の前方不注視を犯したうえでの事故であり、加えて通報・救護義務違反の道路交通法違反も科せられる。

 

加害者に科せられる罪は十分に公判維持できるものである。

 

 

前回面談時、「前方不注視のみの過失しかないから起訴は不可だ」旨の発言もあったが、前方不注視の過失で公判が開かれている事案も多々存在している事、
また、運転に際しもっとも重要な前方左右不注視を軽視すべきではないし、それだけの罪ではないことを改めて主張する。

 

*歩行者が信号機のない車道を渡るときは、①横断歩道上②横断歩道付近③横断歩道のない交差点又はその直近④横断歩道が近くに無く交差点でもない位置の4類型。

歩行者に横断歩道がある場所の付近においてはその横断歩道によって道路を横断しなければならない義務を課している(道交法12条1項)。
この道交法12条1項の定めは逆に《歩行者は横断歩道付近では横断歩道を使わないと義務違反だ》という意味合いを導くが、
横断歩道が近くに無い場合歩行者はどこを横断しなければならないとまでは道交法はハッキリ命じていない。

また、横断歩道付近とは、片側2車線以上の広さで交通量が多くクルマが高速で行き来している車道の場合には
横断歩道からの距離が40~50m以内の場所、それ以外の車道の場合には横断歩道からの距離が20~30m以内の場所を指すのが妥当と解されている(別冊判タ16号77頁)。

添付書類4の1 及び 添付資料4の2

 

・また、被害者・○○が事故に遭ったとき通話中であったとしても「ながらスマホ」行為はなく、
運転手にも認められているイヤホン使用での通話であり、また事故前は会話が途切れていたことから鑑みてもこの部分に過失は当たらない。

 

 

勘違いしている検事を多く耳にするので敢えて記載するが、有罪か無罪か決める『司法』は裁判所である。検察は警察が捜査し送検した事件の公訴提起と維持が主な職務である。

つまり有罪無罪を決める立場にはなく検事の考えることではない。加害者の犯した罪を裁くのは裁判所であり、検察ではない。

公訴しないほど被害者に落ち度があるとは言えない(その場を横断する人間は100%存在しないところを横断した等しかし現場道路では多くの横断者が見受けられる)
のだから、当然公訴提起すべきである。

 

証拠を明確に示した上での、検事の感ではない、客観的事実を以て説明を求めるものである

以上

 

添付資料 計9枚

 

添付資料1 歩行者の衝突速度

添付資料2 救急隊作成書面

添付資料3 一般財団全日本交通安全協会 教本抜粋

添付資料4 歩行者の歩行速度

添付資料5の1 現場から横断歩道までの距離(3枚)

添付資料5の2 車道横断する歩行者の過失割合




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埼玉 25歳男性死亡事件 カルテ・検査情報1.pdf へのリンク

埼玉 25再男性死亡事件 2017.11.15 消防局開示 .pdf へのリンク




加害車両の撮影や計測、病院や消防からの情報開示請求をおこない、ご遺族は刑事裁判にしてもらいたく必死に証拠を集めました。

上記上申書のほかにも何通もの書面を提出して、加害者は起訴されました

しかし検察は加害者を起訴するも、求刑は罰金刑でした。そして判決も求刑通りの罰金刑でした。
交通事犯の命の軽さを見せつけられた事件でした。


北海道から埼玉へいった息子のため、ご両親は足繁く埼玉に行っては息子さんの部屋で過ごしていました。
遠方で犯罪に巻き込まれたときのご家族の皆さんの大変さを知りました。